今回自社で運営している農業事業、大橋農園の今後と農業についての見解を伝えたいと思います。前回は農業を通しての遣り甲斐や達成感、充実感、幸福感について伝えましたが、今回は農業の可能性について数字を元に考えていきたいと思います。
人ではなくITが農業を先導していく。3K【きつい、危険、汚い】の考え方は時代遅れ。
これからはスマート農業が主流になってくると思います。昔のように人手や力仕事を必要とした農業ではなくホワイトカラーな要素が入ってくることは間違い無いでしょう。
『スマート農業』とは、「ロボット技術やIoT(モノのインターネット化)、ICT(情報通信技術)等の先端技術を活用し、省力化や生産物の品質向上を可能にする新しい農業」のことを言います。
私たちは大きな変革の時代にいます。弊社の農園においてはアイメックという農法でフルーツトマトを栽培しています。
ハウスでは自動での水巻きや温度管理などがAIで行われます。
たまにエラーはありますが、ほとんどは最初の設定の通り動いてくれます。もちろんまだまだ人為的な要素を必要とする作業が多いですが今後は、始動走行のトラクターや収穫機、ドローンによる農薬散布などが当たり前になってくるでしょう。
その未来はもうすぐそこまで来ています。
農家の顔が見える農業へ。自社で作り自社で売る。
昔は農家は農協に卸してそこからスーパーやデパートなど、流通に流すのが主流でした。
今はインターネットの発達により個人農家がダイレクトに消費者に届けることが可能になったのです。
今重要視されているスケーサビリティ【生産、流通履歴の追跡】農家から食卓までの流通の流れが注目を集めています。
安心、安全な食に誰もが関心があるのです。
2000年の実績によると、まず生鮮のままの農水産物で15.3兆円(輸入3.2兆円を含む)が直接農家や漁業者に支払われる金額である。それが最終的に消費者が使う飲食費になると、80.3兆円(生鮮品15.1兆円、加工品41.5兆円、外食23.7兆円)になります。
この金額には、生鮮品だけでなく、加工品や外食での金額も含まれるが、ここには農家ではなく、流通業界や、食品産業に大きなお金が落ちているという現実なのです。
農家が生産した物を商社が横流し仲介手数料を抜く。このシステムを大きく変えていく事が、農家が潤い、農業従事者の人口を上げる事に繋がるのです。
世界的人口推移と食料の供給量について。
全ての野菜が同じではなく、作り手の顔が分かり、想いを感じる事が大切です。国産の野菜の貴重価値をしっかりと伝えていくと活動をしっかり行っていく事が今後の農家の重要な役目だと感じています。
日本は海外の輸入に頼りすぎています。
国内で消費された食料のうち、国産の占める割合のことを食料自給率といいます。
農林水産省の発表によれば、2018年度の日本の食料自給率は37%(カロリーベースによる試算)と過去最低を記録しました。日本で食べられているもののうち、37%が国内で生産されたもので、残りの63%は海外からの輸入に頼っているということになります。
日本の食料自給率は主要先進国のなかでも最低の水準で、そのため海外依存度が高ければ高いほど、輸入元の国が不作になってしまったり、戦争などの情勢によって輸入ができなくなったりすると、途端に食料不足になってしまいます。
今回のコロナなどの影響も長く続けば食料不足に繋がるでしょう。
日本を始めとする先進国は、基本的には人口減少局面に入っているが、中国やインドをはじめとする発展の途上にある新興国は、まだまだ人口は増加する一方で2050年には90億人に達すると予想されています。
という事は海外でも食料の需要が高まる為に日本が輸入に大きく頼るのはとてもナンセンスと言えるのです。
日本の農業は、危機的な状況にあり、このままでは、日本の農作物は食卓から無くなっていき、また、食料物価はとてつもなく高騰することは間違いないと言われています。
今現在、農業の継承者がいなく仕方なしに農業をやめてしまう人達が多くいます。農業の平均年齢が65歳という高齢産業であるという点も大きな問題です。若者がカルチャーとして農業に取り組み、間違ったイメージを払拭する事が必要になってくると思います。
日本の未来と農業の未来の為に私達は農業の素晴らしさと重要性を伝えいく責任があるのです。